ぼったくること、暴れること

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鉄拳 8 で一年ほどドラグノフを使い続けています。最高段位は雷神で、ランクマでは下がりもせず上がりもせず…という感じで、停滞しています。

この前、何人かで VC をつなぎながら対戦をしていた時にある方から「行動に図々しさが足りない」「攻めがすぐ途切れてしまう」という指摘をもらいました。続けて、「きっと、ランクマではアサルトをカウンターさせた時や、右アッパーを当てた時は勝てるけれど、それ以外は相手の体力を 6 割削りつつもそのまま負けるパターンが多いはず」とも言われました。

まさしくその通りで、技はそれなりに当てているはずなのにダメージレースに負けてしまうというのが、自分のよくある負け方でした。鉄拳のスタッツのうち、小技は S+、積極性は C というのも、いまの自分を正しく表している気がしますね。

また、別の方から「暴れが無い」という指摘ももらいました。確かに、相手の技がヒットした時、あるいはガードさせて有利な技をガードしたときなど、自分はボタンを押しません。相手が割れない連携を選択しなくなっても、です。

「行動に図々しさが足りない」と「暴れがない」。自分はあまりにもお利口すぎる上に、読み合いを回すための行動をほとんどできていませんでした。


消極的になっている理由

対戦中、左手だけを動かしている時間が多いです。自分は相手の出方を常に恐れています。下段はいつ飛んでくるだろうか、自分が技を振ったタイミングで相手の技と噛み合ってコンボにいかれたらどうしよう…起きてもいない事象をぐるぐると考え、次の行動を選択するまでの猶予を得るため、バクステで距離を取ることが半ば手癖のようになっています。

何もしないにしても、消極的であることとガードが固いことは違います。自分は JDCR のように優れた防御行動を取れるほど、知識もなければ相手を見れていない。

また、相手の攻めが止まらなくて負けてしまった、自分はいったいどこで切り返せたのだろう?とリプレイを見返したときに「こいつガードされて -9F 背負ってるのにそこから発生 18F の技出してる!とんでもないやつだ!右アッパーでもなんでも入るじゃねえか」などと思うことがしばしばあります。でも、「意外と不利フレームから技振っても通るのか、じゃあ自分もやってみよう」とはなりませんでした。

それは、『鉄拳はターン制である』という話を素直に受け取りすぎて、技をガードされて不利を背負ったらその時点で自分は何もすべきではないと考えていたからです。

ドラグノフ自体がぼったくれるようなキャラではないから、というのはありますが、一旦それは置いておきます。

ぼったくってもいいし、暴れてもいい。それで読み合いが回るならば

「相手の行動が怖い」のは、そもそもそのように考えても何も得られるものがありません。その対戦中に起きた事象だけを集め、行動を決定するべきです。過去の対戦のうち、「こういうことをしたら、こういう嫌なことが起きた」という部分を記憶しすぎている。

相手を警戒するに越したことはありませんが、まず目の前の相手がどういう行動を選択しているのかを観察し、それを元に自分の次の行動を判断することにリソースを割くべきです。

ドラグノフ個別の話になりますが、シャープナーはヒットで -1F です。なので割れない連携はありませんが、そこからのヘイルスライサーや立ち途中 RP は、ドラグノフがよくやる行動のひとつです。もちろん割れない連携ではありませんから、ヒット後にトゥースマを返せば、ドラグノフ側がどの技を出していようと潰すことができます。

そうなった時に初めてドラグノフ側はトゥースマに対して横移動でスカを取ろう、当て身を入れてやろう、何もせず様子見しよう、などの選択肢を取る意味が出てきます。読み合いですね。

じゃあ自分はというと、シャープナーのあとに何もしない、というのを常に選択していました。相手はシャープナーがヒットしたあとにトゥースマを返してくるかもしれないから何もしないでおこう。それを、対戦中ずっとです。シャープナーひとつで読み合いができるのに、それをはじめから放棄しています。

神段を踏む前は、シャープナーからのヘイルスライサーの連携を馬鹿の一つ覚えのようにやっていました。いつからかそれを咎められるようになり、「この連携はこの段位帯では通らないからやめておこう」と、シャープナーのあとに技を振らなくなってしまいました。

その攻めが通るのであれば、それを擦り続けることは正義です。対応できない相手が悪いだけです。対応してくる人なのであれば、それ用の対応に切り替えればいいだけです。

暴れの話にいきます。暴れないという選択を取り続けることは、「わたしはあなたの二択を大人しく受け入れ続けます」と同義です。「自分はたまに暴れますが…?」というのを見せておくだけで、相手は二択をかけにくくなります。少し様子を見たり、割れない連携に切り替えたりする必要があります。

読み合いが回るとはそういうことなのだと思います。「自分はこの状況の時にこういうことをしますよ」という意思表明が大事です。相手がそれに応じて手を変えてきたのなら、こちらもまた対応を変える必要があります。

ドラグノフのぼったくり連携を考える

ぼったくりとは、まるで有利フレームが続いているかのように技を振り続けているけれど、実際はなんらかの技で割り込んだり横移動などで対処できる連携だと認識しています。

ドラグノフはスニークと呼ばれるステップとローリングエスケープという構え(?)があるだけなので、エディやラースのようなキャラほど分かりやすいぼったくり連携というのがありません。少なくとも自分が考える限りは。

とはいえ、全く無いということはないです。さきほどのシャープナーがあります。また、逆ワンツーやトスイヤ二段目から 3 入れすることでスニークへ移行して各種技を出すことができます。トスイヤは二段目で 2 入れすればしゃがみにいくので、そこから技を振るのも良さそうです

4RP はしゃがみにいけるので、そこからヘイルスライサーを出すなどもよいでしょう。4RP はガードで -3F、ヒットで +7F です(うろ覚え)。ただ、ガードされていてもたかだか -3F なので、相手が発生の早い中段を出さないのであれば、全然攻めにいってもよいフレームだと思っています。

ローリングエスケープは、WK でその場で転がる以外にも逆ワンツー、ショーアパから移行することができます。しかし、転がった時点で逆ワンツー、ショーアパがヒットしていようがマイナスフレームを背負ってしまうので、見てから中段を振って潰すことができてしまいます。ただ、それが出来ない相手なのであれば、ローリングエスケープ中の RP or LK で二択をかけ放題です。とはいえ、これはあまり神段帯で通用することはないのですが…。逆ワンツー→スニーク移行からの技を嫌がってジャブなどを返してくる相手には有効な時もあります。アクセント程度に使うと強い、みたいな連携でしょうか。

あとは、平地でデトネーターをガードさせると +7 も取れますが、距離が離れるので割れない連携はあんまりできません。ただ、少し前ダッシュで距離を詰めてから技を振れば、相手がジャブなど発生の早い技を出してこない限りは攻めに行きやすいです。ぼったくりというわけではないですが、「攻めが途切れる」という指摘に関してデトネーターからの行動を増やしてもいいという話が出ていたので、振れました。


今回の考えを踏まえてガードされても素知らぬ顔をして技を振るなどしていたら、積極性が C から B になっていました。スタッツの算出方法はよく分かりませんが、それでもなんらかの数値で自分の成長が見えると安心します。

自分に存在しない考え方は、人に教えてもらうまで分からないです。特に、今回のケースだと自分のスタンスと反対の考え方だったので、きっと人に指摘してもらうまでずっと分からないままだったでしょう。身近に教えてくれる人がいるというのはありがたいことですね。