「書くこと」の哲学 ことばの再履修』を読んだ

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『「書くこと」の哲学 ことばの再履修』(佐々木 敦) 製品詳細 講談社

最近、『「書くこと」の哲学』という本を読みました。文章をうまく書くための How to は世に多く出ていますが、「書くこと」という行為そのものにフォーカスした本はあまり見かけなかったなと思い手に取りました。

これを読んだことで、考えるために書くことの効用が整理できたので、そのことを書きます。

もともと、自分は頭の中で独り言を常に言っているような人でした。嬉しかったこと、嫌だったこと、気がかりなこと、様々なことについて独り言を言っています。

「あの仕様ってどう考えていたら最適解を出せたんでしょう。」「難しいですね。」「現状の実装と、上から降ってきた要求だけで考えてしまったのがよくなかった気がします。」「視野が狭い。」「視野の狭さを脱却するには?」「自分はどのような情報を事前に集めておくべきだったのでしょう。」…のようなかたちで、いまこのように書いている文体のような口調であったり、あるいは誰かに話すときのような口調で、独り言を繰り返しています。

独り言は一つの話題以外についてずっと言っているわけではなく、色んな事柄について、ぽこぽこ飛んでは戻って、そんな感じで進んでいきます。

そうして脳内で独り言を繰り返していると、次第に脳のリソースが圧迫されていきます。この状態になると、自分は苦しい。あきらかにパフォーマンスが落ちます。

なので、こうして文章を書いて、ずっと頭の中に置いてあったものをひとまとめにし、一度頭の外に置いておくように心がけていました。一度書いてしまえば、そのことについて考える頻度は減ります。書くことで自分の中で結論が出るため、優先度が下がるからだと思っています。

話を本に戻します。この本のなかで、